OpenAIは2025年2月28日、大規模言語モデル「GPT-4.5」をリサーチプレビューとしてリリースしました。これはOpenAIの「これまでで最大かつ最良のチャット用モデル」と位置付けられています。
主な特徴
感情的知性と自然な対話
GPT-4.5の最大の特徴は、感情が通った温かみのある直感的な「自然な会話」ができる点です。感情的知性(EQ)が向上し、ユーザーの意図をより的確に理解できるようになりました。例えば「テストに失敗して落ち込んでいる」というプロンプトに対して、他のモデルがすぐに問題解決を試みるのに対し、GPT-4.5はユーザーに問題について話したいか、気を紛らわせる必要があるかを尋ねるなど、感情的知性の高さを示しています。
ハルシネーションの削減
間違った情報を生成してしまう「ハルシネーション」と呼ばれる現象が大幅に減少しています。SimpleQAというテストでは、GPT-4.5は37.1%の頻度でハルシネーションを起こしたのに対し、GPT-4oは59.8%、o3-miniは80.3%でした。
知識量の増加
GPT-4.5は世界に関する知識が大幅に改良され、より広範な知識ベースを持っています。SimpleQAテストでは、GPT-4.5は62.5%のスコアを達成し、GPT-4oの38.6%やo3-miniの15%を大きく上回りました。
パターン認識と創造性
パターン認識や関連性の整理、創造的な洞察を生成する能力が向上しています。美的感覚や創造性にも優れており、文章作成やプログラミング、デザインの支援において特に高い能力を発揮します。
技術的特徴
教師なし学習のスケーリング
GPT-4.5は、教師なし学習のスケーリング(スケールアップ)によって性能向上を実現しています。OpenAIのo1やo3-miniなどの推論モデルとは異なり、応答する前に深く思考するわけではありません。
モデルサイズ
OpenAIは具体的なモデルサイズを公表していませんが、GPT-4oからGPT-4.5へのスケールアップは、GPT-3.5からGPT-4oへのスケールアップと同程度とされています。専門家の推測によると、GPT-4は約1.8兆のパラメータを持つとされており、GPT-4.5はそれを上回る規模と考えられます。
トレーニング手法
GPT-4.5は、教師ありファインチューニング(SFT)や人間のフィードバックを活用した強化学習(RLHF)など、GPT-4oと同様の手法でトレーニングされています。
利用可能性
GPT-4.5は当初、ChatGPT Proユーザー(月額200ドル)と全ての有料プランのAPI開発者向けにリリースされました。その後、ChatGPT PlusとTeamユーザーには1週間後、ChatGPT EnterpriseとEduユーザーには2週間後に提供される予定です。
対応機能
GPT-4.5は検索、キャンバス、ファイルや画像のアップロードなどに対応していますが、音声モード、動画、画面共有などのマルチモーダル機能は現時点では利用できません。
今後の展望
OpenAIのCEOであるSam Altman氏によると、GPT-4.5は「チェーンオブソート(思考の連鎖)を用いない最後のモデル」になるとされています。将来的には、事前学習を通じた高度で豊富な知識との組み合わせにより、推論やツール活用を行うAIエージェントの強力な基盤になることが期待されています。
GPT-4.5の登場は、Grok、DeepSeek、Claudeなどとの競争が激化する中で、OpenAIの技術力を示す重要な一歩となっています。
