## Overview
NotebookLMは、Googleが提供するAIを活用したリサーチおよびノート作成支援ツールです。ユーザーがアップロードしたPDF、Googleドキュメント、ウェブサイト、動画、音声ファイルなどの情報源(ソース)に基づいて、要約の作成、質問への回答、アイデアの整理などを行います[1][4][6]。基盤となるAIモデルにはGoogleのGemini 2.0が採用されており、マルチモーダルな情報処理能力を備えています[1][10]。
NotebookLMの最大の特徴は、インターネット上の広範な情報ではなく、ユーザーが提供したソースに限定して回答を生成する点にあります[10][20][29]。これにより、情報の信頼性が高まり、AIが不確かな情報を生成する「ハルシネーション」のリスクが低減されます[9][10]。回答には出典元となるソース箇所への引用が明示されるため、ユーザーは情報の根拠を容易に確認できます[1][4][21]。
無料版のNotebookLMと、利用上限の引き上げやプレミアム機能(高度な共有設定、チャット設定、分析機能など)が追加された有料版のNotebookLM Plusが存在します[4][9][29]。個人利用から企業や教育機関での活用まで、幅広いニーズに対応しています[9][29]。学習支援、レポート作成、会議議事録の分析、専門文書の読解、社内ナレッジ構築など、多様な場面での活用が報告されています[1][2][5][29][43]。
## Detailed Report
### NotebookLMとは?
NotebookLM(ノートブック エルエム)は、Googleによって開発されたAIベースのリサーチアシスタントおよびノートツールです[1][6][9][14]。ユーザーが保有するドキュメントや情報(ソース)をアップロードし、その内容についてAIと対話しながら、情報の理解、整理、分析、活用を支援することを目的としています[4][13][29]。最新のAIモデルであるGemini 2.0を搭載しており、高度な言語理解能力、推論能力、そしてマルチモーダルな情報処理能力を備えています[1][10][29]。元々はProject Tailwindとして発表され、2024年に正式版がリリースされました[14][43]。ダウンロードは不要で、WebブラウザからGoogleアカウントでログインして利用できます[7][29][43]。
### 主な機能と特徴
**ソースに基づいた情報処理**
NotebookLMの中核機能は、ユーザーが提供した情報源(ソース)に基づいて動作する点です[10][20]。PDF、Googleドキュメント、Googleスライド、ウェブサイトURL、テキストコピー、YouTube URL、音声ファイル(mp3, wav)など、多様な形式のソースをアップロードできます[1][4][28][30]。NotebookLMはこれらのソースの内容を解析し、ユーザーからの質問に対してソース内の情報に基づいた回答を生成します[4][21]。回答には、根拠となったソースの該当箇所への引用が自動的に付与され、クリック一つで元情報にアクセスできるため、情報の信頼性を確認しやすくなっています[1][4][21]。インターネット全体ではなく限定された情報源を参照するため、一般的な生成AIで見られるハルシネーション(事実に基づかない情報の生成)のリスクが大幅に低減されます[9][10][29]。
![NotebookLM Source Upload Options[30]](https://jp.tdsynnex.com/blog/wp-content/uploads/2025/02/image1-1024×594.png)
**多様なコンテンツ生成**
アップロードされたソースに基づいて、様々な形式のコンテンツを自動生成する機能(Studio機能)を備えています[4][30]。
* **要約:** ソース全体の概要や主要なトピックを自動で抽出します[4][27][29]。
* **質疑応答:** ソースの内容に関する質問に、引用付きで回答します[4][27][29]。
* **よくある質問 (FAQ):** ソースの内容から想定されるFAQリストを生成します[4][30]。
* **学習ガイド:** 小テストや用語集を含む学習用の資料を作成します[4][30][43]。
* **タイムライン:** ソース内の時系列情報や登場人物を整理して表示します[4][30]。
* **ブリーフィングドキュメント:** ソースの概要をまとめた文書を作成します[4][30]。
* **音声概要:** ノートブックの内容を会話形式の音声で出力します(現在、英語のみ対応)[4][29][30]。
![NotebookLM Studio Panel Features[30]](https://jp.tdsynnex.com/blog/wp-content/uploads/2025/02/image5-1024×577.png)
**ノート機能と整理**
NotebookLMは、単なる情報処理ツールではなく、ノート作成機能も充実しています[4][22]。AIとの対話内容や重要な発見を「メモ」として保存できます[4][30]。これらのメモは、ソースと同様に扱われ、さらなる分析の対象とすることができます[30]。複数のソースやメモを「ノートブック」という単位で管理し、プロジェクトごとやテーマごとに情報を整理することが可能です[4][22]。
**共有と共同作業**
作成したノートブックは、他のGoogleアカウントユーザーと共有できます[18][29][30]。共有時には「閲覧者」「編集者」といった権限を設定でき、NotebookLM Plusではソースやメモへのアクセスを制限し、チャット機能のみを共有する「チャットのみ」権限も利用可能です[9][29][30]。これにより、チームでの情報共有や共同編集、プロジェクト管理が円滑に行えます[18][29]。
**マルチモーダル対応**
テキスト情報だけでなく、PDF内の画像、YouTube動画(音声と文字起こし情報)、音声ファイルの内容も理解し、分析対象とすることができます[1][29][43]。Gemini 2.0のマルチモーダル能力により、多様な形式の情報を統合的に扱うことが可能です[1]。
### NotebookLM と NotebookLM Plus
NotebookLMには無料版と有料版のNotebookLM Plusが存在し、機能や利用上限に違いがあります[4][9][29]。
| 機能/特徴 | NotebookLM (無料版) | NotebookLM Plus (有料版) |
|———————–|—————————————————|——————————————————————————————|
| 対象ユーザー | 個人ユーザー [9][29] | 企業、学校、大学、組織、エンタープライズ顧客 [9][29] |
| ノートブック数 | 最大100 [9][29][30] | 最大500 [9][29][30] |
| ソース数/ノートブック | 最大50 [9][29][30] | 最大300 [9][29][30] |
| 1ソースあたりの語数 | 最大50万語 [29][30] | 最大50万語 [29][30] |
| チャットクエリ/日 | 最大50 [9][30] | 最大500 [9][30] |
| 音声生成/日 | 最大3 [9][30] | 最大20 [9][30] |
| プレミアム機能 | なし | チャットのみ共有, 高度なチャット設定 (応答スタイル/長さ), ノートブック分析 [9][29][30] |
| 料金 | 無料 | Google Workspace/Cloud経由 ($20~/ユーザー/月〜 or 要問合せ), Google One AI Premium (予定) [29] |
NotebookLM Plusは、より大規模なプロジェクトやチームでの利用、高度なカスタマイズや利用状況の分析が必要な場合に適しています[29][30]。
### 他のAIツールとの比較
NotebookLMは、ChatGPTやGoogle自身のGemini(旧Bard)といった他の生成AIツールとしばしば比較されます[5][10][29][32]。最大の相違点は、参照する情報の範囲です[10][35][43]。
| 特徴 | NotebookLM | ChatGPT / Gemini (Web版) |
|————–|———————————————|————————————————–|
| **情報源** | ユーザーがアップロードした特定のソース [10][20][29] | インターネット上の広範な情報、事前学習データ [10][29][43] |
| **信頼性** | 比較的高く、出典が明示される [10][20][21] | ハルシネーションのリスクがあり、出典が不明確な場合も [9][10] |
| **主な用途** | 情報整理、資料分析、要約、特定情報検索 [10][29][30][32] | 創造的な文章生成、一般的な質疑応答、ブレインストーミング [10][30][32] |
| **共同利用** | ノートブック単位で可能 [10][18][30] | 基本的に不可(回答の共有は可能)[10][30] |
つまり、NotebookLMは*「指定した範囲の情報について深く理解し、正確に答える」*ことに特化しており、クローズドな情報分析や信頼性が重視されるタスクに適しています[10][20]。一方、ChatGPTやGeminiは、より広範な知識に基づいた創造的なタスクや一般的な対話に適しています[10][30]。
### 利用方法とアクセス
NotebookLMはWebアプリケーションであり、専用のソフトウェアやアプリのダウンロードは不要です[7][43]。
1. Webブラウザで [NotebookLM公式サイト](https://notebooklm.google.com/) にアクセスします[4][31]。
2. Googleアカウントでログインします(18歳以上対象)[3][29][31]。
3. 「+ 新規ノートブック」を作成します[4][43]。
4. 「+ ソースを追加」から、分析したいドキュメントやURLなどをアップロードまたは指定します[4][31]。
5. ソースが処理されると、自動的に要約が表示され、チャット入力欄で質問や指示を入力できるようになります[4][31]。
6. 右側のStudioパネルから、FAQ作成、学習ガイド生成などの機能を利用できます[4][31]。
NotebookLMは日本語を含む200以上の国・地域で利用可能です[2][9][31][43]。スマートフォンからもブラウザ経由でアクセスできますが、専用アプリはありません[29][43]。
### 活用事例
NotebookLMはその特性から、様々な分野で活用されています。
* **学習・研究:** 講義録音、教科書、論文などをアップロードし、複雑な概念の説明、要約、小テスト作成、関連情報の抽出に利用[1][15][29][40][43]。
* **文書作成・分析:** 複数の資料からレポートのアウトラインやプレゼンテーションの構成案を作成[1][5]。契約書や利用規約など、長文で難解な文書の内容を要約・解説[29][43]。
* **情報整理・知識管理:** 会議の議事録やインタビューの文字起こしを分析し、パターンやテーマを抽出[2][5]。社内マニュアルやナレッジを整理し、検索可能なデータベースとして活用[29][43]。
* **コンテンツ制作:** ブレーンストーミングのメモや市場調査データから、新しいアイデアの発見やトレンド分析[1]。アップロードした情報に基づいた専用FAQチャットボットの構築[29][43]。
* **その他:** 地方自治体の条例や議事録を基にしたニュースレター作成[2]。RPGのシナリオや設定管理[2]。マーケティング資料の分析とマインドマップ化[43]。
![NotebookLM Use Case Example: Document Summary and Q&A[43]](https://weel.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/image-60.jpeg)
### プライバシーとセキュリティ
GoogleはNotebookLMにおけるユーザーのプライバシー保護を強調しています[1]。
* **データ利用:** アップロードされたソース、ユーザーの質問(クエリ)、モデルからの応答は、NotebookLMのモデル訓練には使用されません[1][43]。
* **アクセス:** ユーザーがアップロードしたデータは、そのユーザーのGoogleアカウントに紐づけられ、共有しない限り他のユーザーからはアクセスできません[43]。
* **人間によるレビュー:** Google Workspaceの企業アカウント以外(個人のGoogleアカウントなど)で利用する場合、品質改善などを目的として、アップロードされたデータや対話履歴が人間のレビュアーによって確認される可能性があります[29][30]。そのため、機密性の高い情報のアップロードには注意が必要です[29]。Workspaceアカウントでは、データが人間によるレビューの対象にならないとされています[30]。
* **暗号化:** データは暗号化によって保護されます[43]。
### 制限事項と課題
NotebookLMは強力なツールですが、いくつかの制限事項も存在します。
* **ソース制限:** 対応ファイル形式に制限があり、例えばExcelのようなスプレッドシートファイルは直接扱えません[30]。1ソースあたりの最大語数は50万語です[29][30]。1ノートブックあたりに追加できるソース数にも上限があります(無料版: 50、Plus版: 300)[9][29][30]。ファイルのアップロード容量制限もあります(1回あたり最大200MBとの情報あり)[43]。
* **利用上限:** 1日あたりのチャットクエリ数や音声生成数に上限があります(無料版/Plus版で異なる)[9][30]。
* **静的データ:** アップロードされたソースは、その時点での静的なコピーとして扱われます。元のファイルが更新されても、NotebookLM内の情報は自動的に更新されないため、変更を反映するには手動での再アップロードが必要です[30]。
* **機能制限:** 音声概要機能は現在英語のみ対応です[29][30]。
* **インターフェース:** 専用のスマートフォンアプリはなく、ブラウザ経由での利用となります[29][43]。一部で日本語入力に関するバグが報告されたこともあります[30]。
* **情報範囲:** 設計上、アップロードされたソース以外の情報は基本的に参照しないため、最新情報やソースに含まれない知識に関する質問には対応できません[10][41]。
[1] https://notebooklm.google/
[2] https://blog.google/intl/ja-jp/company-news/technology/notebooklm-google/
[3] https://notebooklm.google.com/
[4] https://support.google.com/notebooklm/answer/15724458?hl=ja
[5] https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2008813.html
[6] https://walker-s.co.jp/ai/what-is-notebooklm/
[7] https://aicafe.jp/notebooklm-download/
[8] https://blog.google/technology/ai/notebooklm-google-ai/
[9] https://aismiley.co.jp/ai_news/what-is-notebooklm-5/
[10] https://jp.tdsynnex.com/blog/google/what-is-notebooklm/
[11] https://tcd-theme.com/2024/12/google-notebooklm.html
[12] https://weel.co.jp/media/innovator/notebooklm/
[13] https://support.google.com/notebooklm/answer/15724458?hl=ja
[14] https://qiita.com/zhao-xy/items/f9a61dac251c115d05f0
[15] https://seleck.cc/notebooklm
[16] https://blog.google/intl/ja-jp/company-news/technology/notebooklm-google/
[17] https://ai-market.jp/services/notebooklm/
[18] https://www.ai-souken.com/article/what-is-notebooklm
[19] https://news.yahoo.co.jp/articles/9e5cb71fe21670cc9ae1d5b10ca2399a3b796ffe
[20] https://www.multifverse.com/blog-posts/how-to-use-google-notebooklm
[21] https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2504/11/news051.html
[22] https://note.com/yusukexz777/n/n5734f6ea5040
[23] https://www.yoshidumi.co.jp/collaboration-lab/introducing-notebooklm-ai-powered-notebook
[24] https://zenn.dev/chameleonmeme/articles/090b42aedc4794
[25] https://note.com/hisashi_lh/n/ne424cc78167c
[26] https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2008813.html
[27] https://walker-s.co.jp/ai/what-is-notebooklm/
[28] https://note.com/doerstokyo_kb/n/n7edcc6bd70bf
[29] https://aismiley.co.jp/ai_news/what-is-notebooklm-5/
[30] https://jp.tdsynnex.com/blog/google/what-is-notebooklm/
[31] https://support.google.com/notebooklm/answer/15724458?hl=ja
[32] https://www.multifverse.com/blog-posts/how-to-use-google-notebooklm
[33] https://note.com/yamam0to/n/n618342cd4cac
[34] https://weel.co.jp/media/innovator/notebooklm/
[35] https://sns-az.net/2024/09/15/notebooklm/
[36] https://note.com/genkaijokyo/n/n4d291375d136
[37] https://accelc.co.jp/blog/notebooklm2/
[38] https://clickup.com/ja/blog/245998/notebook-lm-vs-chatgpt
[39] https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2008813.html
[40] https://indepa.net/archives/8393
[41] https://www.internetacademy.jp/it/programming/ai/notebooklmchatgpt.html
[42] https://www.multifverse.com/blog-posts/how-to-use-google-notebooklm
[43] https://weel.co.jp/media/innovator/notebooklm/
[44] https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2008813.html
[45] https://support.google.com/notebooklm/answer/14278184?hl=ja
[46] https://support.google.com/notebooklm/answer/15724458?hl=ja
[47] https://ai-gallery.jp/tools/notebooklm/
[48] https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1661011.html
[49] https://workspaceupdates-ja.googleblog.com/2025/02/google-workspace-notebooklm-notebooklm.html
[50] https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1597789.html
[51] https://support.google.com/notebooklm/answer/15678219?hl=ja
[52] https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1597920.html
[53] https://note.com/takara1111/n/n0e904d0295b6
[54] https://one.google.com/intl/ja/about/ai-premium/
[55] https://workspaceupdates-ja.googleblog.com/2025/01/google-workspace-notebooklm-plus.html?m=1
[56] https://blog.google/intl/ja-jp/company-news/technology/notebooklm-google/
[57] https://news.yahoo.co.jp/articles/65809a35cdc0787ac0e5737e3444b944cc72298d
[58] https://note.com/plantdenkiman/n/n6f47ae653e99
[59] https://blog.google/feed/notebooklm-google-one/
[60] https://ai.google.dev/gemini-api/docs/available-regions?hl=ja
[61] https://ascii.jp/elem/000/004/202/4202481/
[62] https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1661936.html
[63] https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2412/14/news090.html
[64] https://notebooklm.google.com/pricing